ウィザーズのお話

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主にワシントンウィザーズについて話すブログ

WAS通信簿(シーズン前半) 【ウィング編】

前回に引き続いて、今回はウィング編ということで書いていきます。
八村はまだ試合にほとんど出ていないし、トッドはGリーグ主体だから書いていません。

 

では行ってみましょう。

 

デニ・アブディヤ


43試合出場
22.8分 7.1 PTS 4.8 REB 1.5 AST
FG%:42.9%(2.6/6.1)、3P%:29.8%(0.8/2.8)、FT%:71.9%(1.1/1.5)

 

イスラエルから来たプリンス、もとい神であるアブディヤ神。
WAS三大神のうちの1人です。

 

昨シーズンのルーキーシーズンでは、ルーキーながらスタメンSFとして起用され、基本的にスペーシングとディフェンス要員として使われていた印象でした。
今シーズンからは控えからの出場となり、基本的な役割は昨シーズンと変わらないものの、そのクオリティが上がりました。

 

元よりオフェンスとディフェンスでのコートビジョンに優れ、スタッツには表れないスペーシングやカッティングでチームに貢献することが大きく、停滞したオフェンスに動きを作ってくれます。
また、ドリブルは覚束ないものの、P&Rもこなせ、徐々にレイアップなどのフィニッシュ力もついてきました。
まぁここ最近は覚醒前アブディヤくらいのフィニッシュ力に戻ってきてしまいましたが、まだ20歳と若いのでこれからに期待しましょう。

 

また、コートビジョンが優れているとはいえ、ウォールとかドンチッチみたいにコートを横断するようなパスは出せませんが、ポストエリアからのショートパスが得意です。
あまり漫画に例えたくはないですが、黒子のバスケの黒子的なパスの中継役としてボールムーブを引き起こせるようになりました。
ただ、まだ左ドライブができないのですが、それがまだバレていないので、相手にバレる前に早く習得してほしいですね。

 

今シーズンはハレルと同時に出ることが多く、2人は2ndユニットでの核となっています。
アブディヤのオン・オフコートの差は、チームでもトップレベルに表れており、意外にもオフェンスよりディフェンスでのほうが差が出ていました。


オンコート ORtg:111.5 DRtg:109.4
オフコート ORtg:109.6 DRtg:114.5


特にディフェンスでは相手エースを任されるほどにまで成長し、スピードのある選手はまだ苦手ですが、だんだんと止められる選手が増えてきて、それが本人の自信につながってきています。
完璧に止めたときは腕をクロスさせたポーズを取りますが、毎回「早くオフェンスに参加しろ」と思うし、アブディヤも少し間をおいてから正気に戻って焦りながら走り始めます。

 

ただ昨シーズンから課題なのは3Pとフィニッシュ力です。
アブディヤのマークマンはかなりヘルプポジションを大きく取ったポジショニングをしていることが多く、完全に外を捨てられている場面をよく目にします。
そうなると他の選手のドライブコースが狭まったり、カッティングも上手くいかないので、自分の為だけでなく、チームオフェンスの為にも3P%をせめて33~35%くらいにまで上げてほしいですね。

 

またフィニッシュ力では、せっかくシュートまでの過程は良いのに、決めきれないことが多く見られます。
ゴール下でのFG%は66.7%しかなく、これも昨シーズンの73.3%から大きく下がってしまっています。
まぁ昨シーズンはラスからのアシストでイージーシュートになっていた部分もあるかと思いますが、フォワードなら70%台に乗せたいところだと思うので頑張ってほしいです。

 

コーリー・キスパート


38試合出場
17.8分 5.9 PTS 2.2 REB 0.8 AST
FG%:43.7%(2.1/4.8)、3P%:32.1%(0.9/2.8)、FT%:85.7%(0.8/0.9)

 

今シーズンにドラフト15位でWASに指名されたエアロビマンです。
指名時に彼女とキスした瞬間に不安を覚えたWASクラはいったい何人いたでしょうか。

 

大学でのシューターの役割をそのままチームでも発揮しようとなりました。
ただNBAはそんな甘くはなく、サマーリーグからシーズン序盤までは、なかなか得意の3Pも効率よく決まらないことがありました。
しかし、試合を経るごとに試合勘や判断力に自信がついてきたのか、出場時間も得点も、3P%も上がってきています。


1月まで
15.8分、FG%:40.6%、3P%:28.9%
1月から
25.4分、FG%:52.0%、3P%:40.0%

 

バスケIQが高く、ドライブに合わせてのカッティングなどのオフボールムーブも良く、指導者受けの良さそうなシューターって感じになってきています。
まだまだディフェンスでは狙われるし、抜かれるし、苦労している場面は多く見られますが、その辺はこれから徐々に成長していってほしいですね。

 

まぁチームにシュートさえ決めりゃ16mil貰える人がいるってわかったらモチベーションあるわな。(鼻ホジ)
ベルタンスは期せずしてキスパートの最高のメンターとなっています。

 

カイル・クズマ


41試合出場
33.4分 15.7 PTS 8.7 REB 3.0 AST
FG%:45.4%(6.0/13.1)、3P%:32.2%(1.8/5.6)、FT%:68.9%(2.0/2.9)

 

今シーズンに大型トレードでやってきたクズマは、元LAL産ということもあり、やはり大成の兆しを見せてくれています。

 

LALで培ってきたディフェンスやリバウンド力がWASでも光り、平均ダブルダブルに近い数字を記録するようになりました。
また、今シーズンからは「クラッチクズマ」と異名を持つほどにクラッチタイムでのシュート確率が良く、クラッチタイムだとFG%が51.3%あり、3P%も50.0%もあります。
逆にクラッチタイムのFT%がシーズン平均と同じくらいの68.8%しかなく、ファールゲームを仕掛けられると厳しいといった課題が残っています。

 

試合を経るごとに、ビールに次ぐセカンドエースのポジションを自覚してきたのか、徐々に自信をつけてきて、スタッツが爆上がりしてきました。

 

1月からのクズマ
38.1分 25.1 PTS 11.9 REB 3.5 AST
FG%:52.7%(9.6/18.2)、3P%:31.1%(1.7/5.6)、FT%:75.0%(4.1/5.5)

 

1月だけ見れば平均ダブルダブルの活躍だし、これはもうオールスターレベルといって良いのでは?
ちょっと3P%については見なかったことにするけどさ。
これもクズマがボールを持つ時間が増えたことで、自分で作ったリズムで仕掛けられるようになったのが大きいのではないかと思っています。
それまではUSG%が21.0前後だったのに対して、1月は27.4と急激に上がってるしね。

 

ただ、ボールを持つ時間が増えた分、ドリブルミスによるTOVや、不用意なパスによるTOVが増えました。
1月は平均3.8TOVとなかなか酷いです。
ここをどうにか出来れば完全にオールスターレベルなので、これから頑張ってほしいですね。

 

ダービス・ベルタンス


29試合出場
15.7分 6.4 PTS 2.0 REB 0.5 AST
FG%:36.1%(2.0/5.4)、3P%:33.8%(1.6/4.6)、FT%:93.1%(0.9/1.0)

 

マヒンミから16milポジションを受け継いだベルタンスは、なかなか厳しいシーズンを送っています。
昨シーズンの早い試合ペースから一転し、ハーフコートオフェンスがメインになってきたWASではなかなか3Pを打つ機会に恵まれず、得意な前に走りこんでからの3Pも打てなくなりました。
その代わり、簡単なベルタンス用の打たせるセットもあるにはありますが、ダウンスクリーンから3Pを打つのは得意ではなさそうで、その確率もキャリアワーストとなってしまっています。

 

それでも12月からは40%近くの確率にまで戻し、ベルタンスの3Pで助かる場面もありましたが、やはりいかんせんディフェンスでのデメリットが大きすぎます。

 

ベルタンスのオン/オフコート
ベルタンスin
ORtg:110.3 DRtg:116.2
ベルタンスout
ORtg:110.5 DRtg:111.0

 

ベルタンスが出るだけで、出ていないときと比べて5点以上の差があります。
これはアンセルドが同じくディフェンスに難のあるキスパートと同時起用するといったことも要因の一つではありますが、それでもキスパートはここまでの差はありませんでした。


マンディフェンスは相手からよく狙われますが、今シーズンそこまで悪い印象はありません。
ただ、それ以外のオフボールディフェンスやディフェンスリバウンドといったところで付け込まれ、クロージングが遅れて安易にファールで止めるといったこともあり、それがDRtgが悪い原因だと思っています。

 

また、今シーズンは怪我による欠場も多く、毎回同じ箇所の怪我なので、自身のコンディション管理が良くないと評価されてしまうのではないでしょうか。
現時点でトレード候補をぶっちぎりの独走状態ですが、サラリーが高い&長いので引き取り手はないでしょう。
この契約を結んだシェパード自身が今シーズンどうするのか期待です。

 

アンソニー・ギル


16試合出場
6.8分 3.2 PTS 1.6 REB 0.5 AST
FG%:66.7%(1.1/1.7)、3P%:71.4%(0.3/0.4)、FT%:83.3%(0.6/0.8)

 

昨シーズンにベルタンスのお友達枠?的な感じで加入したギルパパは、もはや今のWASに欠かせない存在にまでなっています。
ベンチでは常に立膝で試合中のメンバーに声をかけ、TOを取ったときには真っ先に労いに行き、出番が来れば献身的なプレーでチームを引っ張ってくれます。

 

特にインサイドでのオフェンスリバウンドには目を見張るものがあり、201cmしかないアンダーサイズながらももぎ取っていきます。
また、WASでは貴重なP&Pができるインサイドで、オープン3Pはきっちりと決めてくれる安定感があります。
ディフェンスでもヘルプポジションを取るのが上手く、ガフォードやハレルに教えてあげてほしいレベルでした。

 

そんなギルは一番層の厚いPFなので、なかなかプレータイムを貰うことができず、16試合中14試合が9分以下の出場でした。
しかし、プロトコルで欠場者が相次ぐと出番が増え、2試合は10分以上のプレータイムがありました。


そのときの2試合のスタッツは、
18.4分 8.5 PTS 3.0 REB 2.0 AST
FG%:54.5%(3.0/5.5)、3P%:50.0%(1.0/2.0)、FT%:75.0%(1.5/2.0)
でした。

 

スモールサンプルでしかないので、安易に比較はできませんが、ギルはいつでもしっかりと準備ができていて、与えられた役割をしっかりこなせるだけの実力を示しました。
ただ、それでもプロトコルから復帰した選手がいるとプレータイムはまた貰えなくなってしまいましたが、今後のTDLフォワードが整理されたときor怪我で欠場者が出たときにはまた出番が来ると思います。


そのときは来季オフに繋がる活躍を見せてほしいですね。