2020年のドラフトが終わり、その2日後からFAが解禁され、大きく動いたチームや静観していたチームと様々でした。
ウォールが復帰予定で、サラリーとウォール&ビール体制の期限にそこまで余裕がないWASは、このオフシーズンにどういった動きをしたのか見ていきたいと思います。
【ドラフト】
2020年のドラフトでWASは
9位 :デニ・アブディア
53位:キャシウス・ウィンストン
の二人を指名しました。
(53位はOKCとトレードで2024年2巡目指名権とともに獲得し、アドミラル・スコフィールドと37位指名権を放出)
デニ・アブディアは19歳のイスラエル人で、ポジションはSFです。
203cmで95kgと細身の体型ですが、プレイスタイルとしてはルカ・ドンチッチと比較対象で出ているようなポイントフォワードです。
2019-2020をイスラエルリーグでプレーし、
出場試合数:21試合
平均得点:12.3点
平均リバウンド数:5.9回
FG%:55.5%
3P%:37.5%
を記録したそうです。
一見すると平均得点がやや低いと思われますが、シュートの確率は良さそうに見えます。
ただユーロリーグでの3P%は30%を切っていたみたいなので、アウトサイドの成長は必須です。
対してキャシウス・ウィンストンはミシガンステイト大学出身の22歳で、大学4年までNCAAでプレーしていた選手です。
185cmで83kgとガードの中でもやや小柄となりますが、それを補えるほどのシュート力とアシスト能力があります。
2019-2020をNCAAでプレーし、
出場試合数:30試合
平均得点:18.6点
平均アシスト数:5.9回
FG%:44.8%
3P%:43.2%
平均スティール数:1.2回
を記録しました。
特筆すべきは、3P%は3Pのアテンプト数が5.6回もある中での43.2%という点です。
WASのウォールとスミスが3Pを得意としていない選手なので、こういった補強はかなり良いと思います。
当初はインサイドをドラフトすると思われていましたが、注目のワイズマンやオコングは先に指名されてしまったので、9位での最も価値のある選手を指名することになりました。
ただガードとポイントフォワードを指名するという動きは、すでに在籍しているガードのイシュ・スミスやトロイ・ブラウンとイサック・ボンガといったポイントフォワードをトレードする可能性が大きくなりました。
前々から言われているリムプロテクターの獲得をFAやトレードで行うという方向に、シェパードGMは決めたように思われますが、現時点での動きをまとめてみます。
【FA・トレード(11/26時点)】
11/21
・ラウル・ネト(元PHI)と1年1.8milで契約
・ギャリソン・マシューズと2way契約
11/22
・ロビン・ロペス(元MIL)と1年7.3milで契約
・ダービス・ベルタンスと5年80milで再契約
現時点ではこんな感じです。
これはオフシーズンの動きとしては非常に良くないと思いました。
まず1つ目
「ベルタンスの契約年数が長い」
今季ジョー・ハリスもFAだったため、狙いに行ってもよかったのですが、彼は4年75milとシューターにしてはかなり高額となりました。
その点、ベルタンスは初年度は13milで、だんだんと契約金が上がっていくものになったので、来季から2年は予想よりも低くサラリーを抑えることができます。
ただ、今年28歳のシューターに加え、ディフェンスに難のある選手に対して、この契約年数は長すぎるし、高いと思います。
個人的には3年45mil辺りにしてほしかったのですが、やはりWASのフロントは交渉が下手なのでしょうか…?
来季はディフェンスの向上に期待したいです。
(そもそもチームディフェンスの向上がマストですが)
そして2つ目
「インサイドはロペスだけの補強なのか?」
中国4千年の歴史がある一方、同様にWASのインサイド補強必要案も4千年の歴史があります。
マーチン・ゴータットというWASの支柱がなくなり、ドワイト・ハワードにその役目を託しましたが、それは幻想となりました。
そして現在トーマス・ブライアント(以下トマブラ)がWASのインサイドを任されています。
ただトマブラはオフェンス能力こそあるものの、ディフェンスでの粗さがいまだに直りません。
23歳と若いですが、win-nowな状況で優勝するためのピースとは言えないので、ここを誰かリムプロテクトできるディフェンスで貢献できる選手に替えたいのが実情です。
しかしFAで獲得したのはロビン・ロペスでした。
現在31歳のベテランで、CHI時代よりも能力が衰えてきた選手に7.3milというやや高額なサラリーを使ってしまったことにも驚きました。
7ftでポストディフェンスには優れているものの、リムプロテクターとしてはどうなんだ?という疑問符がついてしまう補強ですが、今後トレードで動く予定があるのなら納得のいく動きです。
しかし、11/24にシェパードGMが声明を出しましたが、来季スタートにトマブラを起用していくと言ったそうです。
開幕のインサイドをトマブラとロペスで行くのは、優勝を狙うチームとしては弱いです。
シーズン中にウォールからのアシストでスタッツを伸ばしたトマブラをトレードに出すという考えを持っているのでしょうか。
この辺はまだ未知数な部分ではありますが、今季FAとなったナーレンズ・ノエルやハリー・ジャイルズ、トリスタン・トンプソンといった選手が安価だったため、彼らをスルーしてしまったのか…という残念な気持ちが残ってしまうオフシーズンでした。
まだオフシーズンは完全に終わったわけではありませんが、ここから大きく動くとはあまり思えないので、今のロスターで行くものと思っています。
ウォールのトレード話が出ていましたが、完全に否定されたので安心してウォール&ビール体制での開幕を観ることができそうです。
ガード過多、インサイド不足という現状ではありますが、来季の開幕を楽しみにしたいと思います。