ウィザーズのお話

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主にワシントンウィザーズについて話すブログ

【11戦を終えてみて】

本当は「10戦を終えてみて」にしたかったのですが、最後のPHX戦に少し変化が出ました。

なので中途半端な試合数での感想ではありますが、現時点でのWASについて書いてみたいと思います。

 

・予想と現実のギャップ


チームカルチャーの抜本的な改革を企て、フロントはウォールとラスのトレードを行いました。
また、ロペス(弟)といったベテランを獲得し、ベルタンスと再契約を結びました。

 

昨シーズンと比べ、ガードはアップグレードでき、弱点だったインサイドは厚みを増すことができました。
ロスターを見る限りでは、今シーズンはPOは固いと思った人も多いと思います。

 

しかし、蓋を開けてみれば開幕から5連敗し、現在3勝8敗と大きく負け越しています。
単にケミストリーが構築できていないとか、あくまで将来のために我慢する時期だと割り切ることができれば話は別ですが、実情はそうではありません。

 

①ラスのパフォーマンスの変化と劣化
昨シーズンのHOUでのラスは役割を限定され、カッティングなどのリムアタックをメインにしていましたが、今シーズンはOKC時代のようにゲームメイクを中心にプレイしています。

 

ただ、OKC時代とは異なり、インサイドとのP&Rをあまり使わず、アイソレーションからのプルアップジャンパーやポストプレイを多用しています。
今のところその確率は悪くはないものの、45%しかありません。(16-3Pまでの距離)
また、シュートアテンプトの1/4は3Pで、その確率は30.3%とかなり低いです。

クラッチタイムでもじわりじわりと3Pを打ちそうな雰囲気を出してくるので、「やめろ…やめてくれ…!」という気持ちにさせてくれます。

 

そしてディフェンスではオフボールでの動きが悪く、ボールマンに近づいていく癖があるのか、自分のマークマンをよくフリーにします。
また、ヘルプローテに参加しないこともあり、なぜかペイントエリアに残っているラスの姿を見ることも多々あります。
今までのチームは介護すごかったんだろうなとOKCとHOUのディフェンスシステムに感動すらしました。

 

②ダメな組み合わせの多さ
まずは個人的ではありますが、ダメだと思う組み合わせを出していきます。
・ラスとスミス
・ラスとベルタンス
・ベルタンスとトマブラ

 

まず1つ目の「ラスとスミス」ですが、なぜかブルックスHCは3ガードを多用することが多く、特にラスとスミスの組み合わせが多いです。
お互いスラッシャータイプで、かつアウトサイドが得意でないことが共通しています。
片方がドライブしてキックアウトしても、アウトサイドが得意でない選手がフリーにされるのは当然で、そんな選手にパスが渡っても…な展開がよくありました。

 

2つ目の「ラスとベルタンス」と3つ目の「ベルタンスとトマブラ」は共通してディフェンスがザルになることです。
もはや「ラスとベルタンスとトマブラ」の組み合わせと言っても良いでしょう。
トマブラに限って言えばインサイドでのディフェンスは決して良いとは言えませんが悪くはありません。
ただラスとベルタンスはディフェンスでの良いところを探す方が難しく、見つけた方には100万円!的なキャンペーンをやっても良いレベルです。

 

それは置いといて、問題となるのがP&Rへの対処が全員下手なところです。
特にスタメン起用のラスとトマブラは、コミュニケーションミスなのかルールが無いのかわかりませんが、お手本のようなP&Rをよくされます。
チームで簡単にスイッチしてしまうこともあり、ベルタンスがガードとスピードのミスマッチをつかれることもよくあります。ベルタンスへの1on1、ダメ、絶対。

 

また、「ベルタンスとトマブラ」の組み合わせだとリバウンドがかなり弱くなります。
他に八村がいれば話は別ですが、いないときは極端に取れなくなりました。
豆腐フィジカルのベルタンスとアンダーサイズのトマブラでは…ねぇ?

 

こういったメインの選手同士でダメな組み合わせが多いこともあるのですが、困ったことにダメな組み合わせを止めないブルックスHCでした。

 


・怪我の功名
10戦目のMIA戦で、トマブラはシーズンアウトとなってしまいました。
MIPを狙えるのではというくらいスタッツも向上し、これからってときに怪我をしてしまったのは非常に残念です。
また、ラスも太ももの怪我で1週間程度の離脱がアナウンスされ、昨シーズン同様に野戦病院と化す兆しが見えてきました。

 

そんな暗いニュースがあったなか行われたPHX戦では、ネトとロペスがスタメンとして起用され、今まで干されていたワグナーなども出ました。
当時7勝3敗と幸先のいいスタートを切ったPHX相手に、なんと128-107と快勝することができました。これにはWASクラも驚きの結果になりましたね。

 

さすがに1試合だけでは正確な勝因というのもわかりませんが、ひとまず言えるのは「試合のペースを落としたこと」が要因の一つだと思います。

 

WASは今季のペース(48分間で何回ポゼッションがあるかを示す)が105.8回と、リーグ1位のアップテンポなバスケを展開してきました。
それはラスやスミスといったガードがアップテンポなバスケをする選手がいることが要因の1つですが、そのラスがいなくなり、代わりに入ったネトはハーフコートオフェンスを展開しました。

 

PHX戦でのペースは96.4とかなりペースを落としたものの、この試合では今までの試合と大して変わらずに128点も取ることに成功しています。
確かにベルタンスガチャが成功して、チームでも3Pが15/34の44.1%と高確率ではありましたが、効率のいいオフェンスをしたことがわかると思います。

 

またインサイドのディフェンスでは、トマブラはP&Rされたときにオーバーヘルプしてしまってインサイドがドフリーになることが多々ありましたが、ロペスはショーディフェンスをして、ガードがチェイスして戻ってくるまで引いて守ります。
いかんせん引きすぎて簡単にフローターやプルアップジャンパーを打たれることもありますが、トマブラよりはまだマシなのでディフェンスが少し良くなっています。

 

ラスは簡単にスイッチしてしまうことがありますが、ネトやスミスは小柄な体格を活かして必死にチェイスするようにしているので、ロペスの引いて守るやり方と合っています。

また、おそらく2-3ゾーン?を仕掛けるときもあり、まだ連携がとれずにボコボコ打たれますが、リバウンド意識を上げようとする意志を感じました。
3Pが得意なチームには通用しませんが、PHXにはかなり効いたゾーンでしたね。

 

ラスとトマブラの怪我は残念ですが、こういった発見もありました。
これでもなぜか干されるトロイとボンガという問題や、ラスが復帰した途端またラスとスミスを含めた3ガードとかやりそうな感じも十分ありますが、HC解任までしばらく我慢のシーズンになりそうです。