ウィザーズのお話

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主にワシントンウィザーズについて話すブログ

【8連勝で途切れてしまったWAS】

先日のSAS戦では、OTまで試合がもつれたものの、惜しくも負けてしまいました。
八村が復帰しての試合だったので、勝ちたかったですね。

 

今回の試合は、まさに指揮する側の質が顕著に現れたもので、スコブルとポポビッチとの差が出てしまいました。
個人的にそう思った理由をいくつか書きたいと思います。

 

①シュートアテンプトの差
SAS戦でのWASは109本のシュートを打ちました。
そのうち58本を決めてFG%が53.2%と、SASの53.4%とほぼ変わりません。

ただ、ここでSASと異なるのは、シュートアテンプトの約58%である63本をラスとビールで占めていたことにあります。

ここで8連勝時のラスとビールの前後半でのシュートアテンプトを比較してみます。

 

UTA
前半…ラス5;ビール17→計22
後半…ラス10;ビール14→計24


SAC戦
前半…ラス8;ビール13→計21
後半…ラス14;ビール9→計23


NOP戦(OT除く)
前半…ラス10;ビール10→計20
後半…ラス10;ビール15→計25


DET戦
前半…ラス10;ビール11→計21
後半…ラス7;ビール11→計18


OKC戦
前半…ラス6;ビール11→計17
後半…ラス12;ビール10→計22


GSW戦
前半…ラス6;ビール10→計16
後半…ラス11;ビール11→計22


OKC戦
前半…ラス12;ビール12→計24
後半…ラス11;ビール12→計23


CLE戦
前半…ラス6;ビール12→計18
後半…ラス7;ビール12→計19

 

平均
前半…ラス7.8;ビール12→計19.8
後半…ラス10.3;ビール11.8→計22.1

 

ビールは前半と後半でシュートアテンプトに差はありませんが、ラスはアテンプトが前後半で2本以上違います。
ところが、SAS戦では以下のようになっていました。

 

SAS戦(OT除く)
前半…ラス13;ビール13→計26
後半…ラス11;ビール16→計27

 

最初からラスがアタックモードになっており、アテンプトが10本を超えました。
OKC戦でも前半で12本となっていますが、このときと何が違うかと言うと、OKCは言っちゃなんですがタンクチームです。
ラスについていたディフェンダーは若手で、ラスにとっては攻めやすい相手だったと思います。
ただSASはスモールラインナップをメインとし、マレーやホワイトといった良いディフェンダーがそろっています。
なぜそういった相手に果敢に攻めていってしまったのか謎でした。
しかもこの日のラスはFG%が34.6%とかなり低調だったことから、ラスに対するSASのディフェンスが良かったことを示しています。

 

戦術がエース頼みに止まってしまうのは今に始まったことではないですが、せめて一貫性を持たせるべきです。
後半にエースムーブで勝つつもりなら、前半はしっかりバランスアタックを心掛け、ラスとビールの体力を温存できるようなオフェンス(ネト、八村、ガフォードが攻める)を構築する必要があったと思います。

 

②終盤にベルタンス
ベルタンスはご存じの通り、ラトビアンレーザーと言われる理不尽3Pを武器にしているPFです。
ただステータスを3Pに極振りしたので、それ以外のことはNBAレベルではありません。
特にディフェンスではスイッチで狙われるし、リバウンドも弱く、肝心な時には決して出したくない存在です。
なのにSAS戦では、4Qの終盤やOTではほぼ出ずっぱりという起用をされ、ラスとビールというディフェンスレスバックコートデュオと一緒なのでSASの勢いを止めきれませんでした。

 

確かにロペスが欠場、かつレンとガフォードがファールトラブルでインサイドが足りない部分もありましたが、それでベルタンスはおかしいでしょう。
せめてこの日攻守ともに好調だったギルを使うべきだったのではと思います。

そんなベルタンスはSAS戦で3Pが3/5と好調だったのですが、この試合はいつもより少なめのアテンプトでした。

 

…?
シュートも打たないのにディフェンスができないベルタンスを起用し続ける意味とは…?
いかんせん何を考えているかわからないスコブルなので、相変わらず起用法がよくわからないのでした。

 

③3ガード
相手のSASも3ガードを多用してくるチームで、
マレー、ホワイト、ミルズ、デローザン、ウォーカー
の5人をローテーションで起用していました。

 

対するWASも
ラス、ビール、イシュ、ネト、ギャリマシュ
の5人をローテーションで起用しますが、なんせ背が小さい。

 

SASのエースであるデローザンは、言わずと知れたミドルレンジでの1on1が非常に強力な選手です。
3Pはほとんど打たない代わりにミドルショットを50%近くの確率で決めてくるのですが、この試合ではなぜかイシュがよくマークしていました。
確かにラスやビールをエースにつけないことでディフェンスにリソースを割かないという面では納得がいきますが、その代わりにイシュがつくのはいくらなんでもミスマッチでしょうに。

 

案の定この日のデローザンには3Pが無い代わりに、12/23の52.2%で決められ、13/13とフリースローも決められました。
加えてマレーにもミドルレンジで支配され、デローザンと同じ12/23と高確率でシュートを決められました。

せめてSF枠にはボンガかハッチソンを起用するべきだったのではと思います。
容易くファールトラブルを起こすんじゃという指摘はダメです。
出さなければ成長もしないのです(血の涙)。


と3つの点から今回のスコブルがどうひどかったかについて書いてみました。
八村の復帰でウィングに少しだけ厚みが戻りましたが、やはり3ガードは引き続き行われるでしょう。
ベルの10日間契約も終わってしまったので、ぜひウィングでディフェンスに強みのあるFA選手を獲ってほしいものです。ロバーソンとかロバーソンとか。