新生HOUの未来は明るく、昨シーズンほぼただで獲得したKPJが覚醒し、1試合50点という記録を出したのも記憶に新しいです。
また、DETからトレードで加入したウッドも怪我がちではありましたが、得点・リバウンド・アシスト・スティール・ブロックと、ほぼすべてのスタッツでキャリアハイを記録しました。
そのほかにもテイトやKMJといった若手も良く、その周りにはヌワバ・ハウス・タイスといった中堅、そしてウォール・ゴードン・オーガスティンとベテランがいます。
そこに今年のドラフトで指名したグリーンとサングンが加わり、良い感じのバランスでチームができています。
そこでジワジワとトピックとして挙がってきたのが、「ウォールをバイアウトするか否か」というものです。
元オールスター常連のアシスト系PGのウォールは、2021-22は44.3mil、翌2022-23はPOですが47.3milと圧巻の契約が残っています。
そのウォールをバイアウトし、完全に若手にシフトさせる案が出てきました。
そんな話題のウォールは、WAS在籍の2016-17シーズンにALL-NBA 3rdチームに選ばれる活躍をし、2017年7月に2019-20シーズンから始まるスーパーMAX契約を結びましたが、怪我がち&2019年からギャング嫌いのGMに替わったことにより、昨シーズンにHOUへトレードされました。
HOUでは怪我の復帰ということもあり、40試合の出場に止まりましたが、復帰明けにしてはまずまずの出来だったのではと思います。
ただ、中にはウォールのボール保持率が高く、シュートも乱発する癖があるため、若手の成長を阻害するのでは?という意見から、「ウォールをバイアウトしたほうがいいのでは」案が出てきました。
うーん、確かにFG%とかアシストはキャリアワーストだし、3P%も31.7%とラスより低いとなれば何となく気持ちはわかります。
バイアウトの仕組みはイマイチわかっていない部分がありますが、チーム事情的にバイアウトは理にかなっているのか?についてウォールの影響について軽く見てみました。
2020-21シーズンのウォールを、コートにいるときといないときのスタッツであるon - offで考えたとき、
on ORtg:107.6 DRtg:113.9
off ORtg:108.0 DRtg:117.1
とオフェンスはちょっと上がりますが、ウォールがコートにいないときのディフェンスが崩壊しています。
逆に期待の若手であるKPJについて見てみると、
on ORtg:109.1 DRtg:122.1
off ORtg:107.5 DRtg:113.9
とオフェンス効率はちょっと落ちますが、コートに居ない方がディフェンス面ではかなり安定していることがわかります。
というか出ているときのDRtgやばいな。
ここをKPJをスタメン起用して、ウォールをバイアウトor控え起用案を出している人は見落としているのではないでしょうか。
まだまだ若手のKPJは、爆発力は昨シーズン証明できましたが、安定性という意味では発展途上の段階です。
控えならDJオーガスティンがいるじゃんと思ったあなた、オーガスティンはKPJよりひどく、on - offでのDRtgは+14.6とチームワーストでしたよ。
もちろん、on - offのスタッツは一緒に出ているときのメンバーやそのときの相手メンバーなど様々な要因に左右されることはあると思いますが、ここまで顕著に出ているとさすがに無視できないのではないでしょうか。
そんな意味で、ウォールに代われる選手は今のところHOUにはおらず、早急にウォールに関してどうこうする考えは時期尚早なのでは?と思います。
まぁ周りにパスを出さないでシュート乱発されるのに気が滅入る気持ちは、WASクラの自分にとっては十分わかります。オフボールも動かないしね。
ただ昨シーズンはウォールやウッドの健康面、ハーデンやオラディポ、タッカーのトレード事情と色々と安定しなかったこともあり、チーム戦術の徹底ができず、タンクすることもあってアイソ戦略を取らざるを得ない事情があったと思います。
だからダムダムしてシュートを乱発しちゃったのかもね。
しかし、来シーズンは今のところゴードンくらいしかトレードの噂はなく、ある程度安定したメンバーで臨むことができるのではないでしょうか。
そうなればサイラスHCの戦術も浸透し、アシスト能力に優れたウォールがこれから活きてくる可能性もあります。来シーズンもダムダムしてたら怒っていい。
ウォールが好きな自分にとっても、健康面で安定し、オールスターレベルにまでコンディションを戻したウォールに期待しているので、頑張ってほしいです。