ウィザーズのお話

ウィザーズのお話

主にワシントンウィザーズについて話すブログ

20試合を終えて

最近試合が多くてなかなか試合の所感が書けない日々を送っています。
先日のvs DAL戦を終えて、今シーズン早くも20試合が終了しました。
もう1/4が終わってしまったと思うべきか、まだ3/4あると思うべきか…。


開幕前は各メディアから散々な予想をされていましたが、今のところ13-7と好スタートを切っています。
ただ内容的には良いところと微妙なところが内包していて(どこのチームもそうだろうけど)、それについて個人的に思うところを書いていきたいと思います。

 

ハレルの存在

WASに新しく来たメンバーの中で、最もサプライズな活躍だったのはハレルだったのではないでしょうか。
正直契約も今シーズンまでだし、サラリーもそこそこ動かしやすい存在だったので、トレード候補まっしぐらだと思っていましたが、今シーズンの活躍はまったく予想していませんでした。


主要なスタッツは以下となっています。

16.7点
8.5リバウンド
FG%:64.9%
ORtg:138
DRtg:106

2019-20シーズンにLACで6thマン賞を受賞したときと遜色ない活躍っぷりを見せています。
実際、ハレルがいなかったらWASはここまでの成績を残せていなかったでしょう。
ディンウィディーやビールより替えの利かない存在となっています。

 

今シーズンのWASはハイポストにインサイドの選手を置き、ハンドオフを駆使してオフェンスを作っていることが多いです。
前DENのACだったアンセルドがヨキッチをベースに作っていた感じなんですかね。
ただガフォードではキープ力も視野もパススキルも得点力も遥かにヨキッチに及ばないので、なかなか苦労することがありました。
そこでハレルがいると、それはもうヨキッチと比べちゃうとどんなセンターも及ばないのですが、なんちゃってDENオフェンスをすることができています。
トマブラが復帰してもこの役割はできないと思うので、ハレルはやはり替えの利かない存在でしょう。

 

ディフェンス

あと昨シーズンまでのWASと比べて、遥かにディフェンスが良くなったことが挙げられます。
平均失点は105.2点とリーグ9位と低く、DRtgも106.7とリーグ13位と現状はなっています。
特徴としては、3Pを打たせずに2Pのシュートを選択させ、それをできるだけコンタクトして外させるといったことでしょうか。

 

被3PA:30.7本(リーグ2位)
被3PM:10.1本(リーグ1位)
被3P%:32.8%(リーグ8位)


とほとんど3Pを打たせていない&決められていない数字となっています。
被3P%も32.8%とリーグ8位だしね。

そして

被2PA:59.4本(リーグ30位)
被2PM:29.1本(リーグ29位)
被2P%:48.9%(リーグ2位)


となっていることから、2Pを打たせてはいるものの、かなり防いでいることがわかります。
これはガフォードのリムプロテクトやKCP、アブディヤの対人ディフェンス能力、クズマやハレルのリバウンド力が高いから達成できています。

 

ただぶっちゃけ試合を観ている印象だと、そこまで3Pをちゃんと防ごうとしてたか?とかチームディフェンスとしては成立していたか?とは思ってしまいます。
コミュニケーションミスでドフリーを作ったり、トランジションで簡単に打たれることもあるしね。
なんとなく個人のディフェンス能力でなんとかしている面は否めません。
その辺は今後の課題です。

 

スタメンの効率

スターティングメンバーでのオフェンス効率がかなり悪いことが、これまで試合に負けていたor接戦になっていた原因の1つだと思います。


今のところ、5人の組み合わせでもっともプレイタイムが長いのはスターティングメンバーの154分ですが、100ポゼッション換算で相手の得点との±で計算したときに-7.3を記録しています。


次に長い組み合わせが68分で、スターティングメンバーのガフォードをハレルに代えた組み合わせなのですが、これだと+7.8とプラスに転じています。
ガフォードとハレルという違いだけでこれだけの差が出るのは結構驚きですね。

 

確かにガフォードは試合を観ていても、ディフェンス面ではかなりの貢献をしていますが、オフェンスにおいては正直お荷物になっていることが多かったように見えました。
ガフォードはハンドリング能力が低く、パスを貰っても取りこぼしたり、ドリブルがおぼつかなくてスティールされることが多く、ハイポストでの中継役としてはあまり機能していなかった印象です。


また、3-10ft内(だいたいペイントエリア)でのFG%が昨シーズンと比較して57.1%から38.9%と大幅に下がっていて、シュート力の低下もあるようです。
ただ昨シーズンいたラスやイシュ神のような優れたパサーがWASにはほとんどいないことで、ディフェンスとのギャップが作られず、自分で打開しなきゃいけない場面が増えたことはかなり影響していると思われます。

 

アウトサイドの不安定

シューターの3P%の低さがオフェンス効率の悪さの原因でもあります。


今シーズンのWASは

3PA:32.1本(リーグ25位)
3PM:10.4本(リーグ29位)
3P%:32.4%(リーグ28位)

と3Pがかなり下手なチームとなってしまいました、
その中でもビールとベルタンスの3P%が悪すぎて、頭がおかしくなりそうです。

 

ビール:27.5%(1.8/6.4)
ベルタンス:23.9%(1.1/4.6)


2人で11.0本も打っているのに、2.9本しか入ってないのはほぼTOVといっていいんじゃないでしょうか…?
確かに最初は色んな選手が新しいボールに適応できずにシュートが入らないなんてことがありましたが、さすがに20試合もすれば徐々に適応してほしい。
直近のDAL戦ではビールは1本しか3Pを打たなかったので、もはや諦めて方向転換したのかな?ってレベルでした。

 

他にもネトは26.7%、アブディヤは31.3%、キスパートは21.6%というグロスタッツを記録しているので、もはやチームのシューティングコーチが悪いのでは?と思うようにもなってきました。
まさか練習ではウィルソン製じゃなくてスポルディング製使ってるとかないよね?

 

ダンシングKCP

今のWASのオフェンスで、ディンウィディーとKCPの役割が逆になっている謎の時間帯があります。
他にゲームメイクできる選手がいないのに、ディンウィディーがなぜかコーナー待機していて、トップでKCPがドリブルでダンシングKCPしていることがあり、時間が足りなくなって案の定タフショットになったりとまるで意味不明なオフェンスをしていることが多いです。

 

ディンウィディーのUSG%(オンコートのときのボール保持時間の値)がわずか22.9しかありません。
参考にビールが31.9、クズマが20.3、ハレルが21.3です。
もっとディンウィディーがボールを持ってP&Rなりをしてほしいのですが、怪我の影響なのかボールを持つ時間を意識的に少なくしているように感じます。

 

なぜディンウィディーがゲームメイクしないのかと小一時間アンセルドを問い詰めたいのですが、あくまで役割を限定させず、選手たちに自主性を持たせているのかなとも思いました。
確かに徐々にKCPのプルアップミドルは入るようになったりと完全なマイナスではないのですが、オフェンスの選択としてはどうなんだそれ?感が強くて、それもWASのオフェンスが上手くいかない原因なのではと思っています。

 

これから

まだ残り62試合も残っているので、これからどうなるかわかりません。
ただ色々改善できる点は改善していってほしいですね。
今後TDLまでのポイントを挙げていきます。

 

八村の今後

依然としてまだ試合には出ず、チームの練習には参加しているものの、5on5の練習までには至っていないレベルだそうなので、八村はおそらくシーズン中盤くらいまでは試合に出てこないと思っています。
チームからの離脱中に体がだいぶ細くなってしまったようで、ウェイトトレーニングはオフシーズンに長い期間かけてやるもので、そんなにはすぐ変化するものではないでしょう。
試合勘にしても、オリンピックからバスケから離れていたと思うので、そういった面を考えてもあと1か月近くはかかるのではないでしょうか?

 

仮に戻ってきたときはどういった起用になるのか。
現在クズマがスタートのPFとして起用されていますが、今のロスターだと個人でインサイドアタックできる選手がハレルくらいしかいません。
そこでミドルエリアから安定したシュートを放てる選手はとなると、うーんいないですね…。
そういった意味で、個人でミドルエリアから1on1を仕掛けることができる八村の存在はかなり貴重なものになるので、オフェンスでの選択肢を増やすためにも早めの復帰が望まれます。


個人的に八村を最大限活かすには、スペーシングの問題からストレッチ5ができるトマブラとの組み合わせが一番良いのではないでしょうか。
初っ端からスターティングメンバーに起用されるわけないので、控えから出るとは思いますが、2ndユニットで八村とトマブラ出てくるのは相手からしたら悪夢では…?

 

ゲームメイカーの招集

現在WASにはゲームメイクできる選手がディンウィディーしかいません。
ネトとホリデーは良い選手なのですが、どちらもスラッシャータイプのPGで、バタバタした展開のときに落ち着いてオフェンスを回せるタイプではありません。
そんなWASの事情的にはどちらか片方で十分なので、サラリーの調整がしやすいホリデーが今後トレード対象になってくるのかもしれません。

 

個人的にはATLのルー・ウィリアムスやDETのコーリー・ジョセフなんか狙ってほしい。
LAC時代のルー&ハレルコンビは破壊力抜群でしたし、1人くらいベテランが欲しいので。
本当はアブディヤにゲームメイクの機会をあげてほしいんだけど、今はディフェンスの向上に集中してそうなのでそっとしておきましょう。

 

トマブラ復帰後のプレイタイム管理

今はガフォードが20分前後、ハレルが25分前後くらいでセンターを起用していて、ファールトラブルがあったときはクズマをセンターとするスモールラインナップを行っています。


ただスラッシャータイプのガードが多いWASにおいて、スペーシングを行ってくれるセンターがいたほうが、中のスペースが空いてオフェンスオプションの幅が広がります。
その点で、トマブラの存在は大きく、3P%は過去2シーズンでどちらも40%を超える高確率のシュート力を持っているので、復帰した際にはガフォードやハレルではできなかったP&Pなどで外からシュートを狙ってほしいですね。

 

しかもトマブラはP&Rからのダイブが強烈で、ゴール下(0-3ft)でのFG%は80%以上という数字を記録しています。
オフェンスにおいてはハレルにも劣らないモンスターっぷりが見られそうなので、復帰が待ち遠しいですね。
ディフェンス?知らないです。

 

ベルタンスはどうする?

毎年何かしらの怪我で離脱するベルタンスは、今シーズンは自分でいったダンクで負傷してしまって離脱しました。
復帰してもシュートの調子は上がってこず、君から3Pを取ったら何が残るんだとそろそろアンセルドに言われそうなくらい壊滅的な3P%になっています。

 

16milとスタメンレベルにサラリーを貰っているベルタンスの契約はあと3年も残っています。
2シーズン前の平均15.4得点、3P%が42.4%とまで行かなくとも、せめて平均2桁得点くらいしてほしいのですが、こないだのDAL戦ではオープンのコーナー3Pでさえも外すというなかなか厳しい結果となりました。

 

昨シーズンまでの紙ディフェンスはなくなり、相手チームからめちゃくちゃ狙われてはいるものの、意外と抑え込んだりブロックしたりと改善はされています。
ただ映画版ジャイアンと一緒で、かなり大きいマイナスから0になっただけで、今のところベルタンスを試合に出すうえでプラスの要素はありません。
結構トレード案でベルタンスを入れている人がいますが、ナンセンスと言わざるを得ないでしょう。
どこのGMがベルタンスを受け入れるんだ…。

 

評価を上げるためにも試合に出していくしかないのですが、最近だとキスパートと同時に試合に出していることが多いです。
ただミニベルタンスのキスパートはベルタンス同様ディフェンスが全然良くありません。
しかも3Pが狙いのはずの同時起用なのにどちらも3Pが入らないWhat's the hell!?状態なので、それだけは今後やめてほしいですね。

 

確かにベルタンスの得意な3Pはトランジションでの3Pで、今シーズンのハーフコートオフェンスが主体のWASにはまだアジャストできていない実情もあるのかもしれません。
怪我明けということもあり、あと1か月くらい長い目で見てあげないといけないのかもしれません。
今シーズンはとりあえずトレード対象になることはないでしょうというのが個人的な予想です。

 

まとめ

なんやかんや色々書いてみましたが、結局はこれから八村やトマブラの復帰というポジティブな要素が待っているので楽しみです。
12月は15試合中10試合がアウェイというデスロードが待っています。
今の貯金が食い尽くされそうな気しかしないのですが、心を強く持ちましょう。