ウィザーズのお話

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主にワシントンウィザーズについて話すブログ

2021年+1試合のWAS

かなり久々に記事を書いています。
2021年終わるし、キリ良いから書こう!と思っていたら年を越してしまい、更には2022年入って最初の1試合が終わってしまったというグダグダっぷりを発揮してしまいました。
まぁけど今までのチームの不調から抜け出せそうなキッカケとなった今回のCHI戦を踏まえておさらいしてみようと思います。

 

今シーズンのWASは、12月入るまで13勝8敗と貯金が5つもありましたが、12月入ってからは5勝10敗と大きく負け越し、ついには貯金を食い潰してしまいました。
その原因は強豪チーム相手のロードがあり(という言い訳)、さらにはプロトコル関係でロスターが安定しなかったこともあります。
それは他のチームも同じ条件なんだけど、WASは特にロスターの半分以上が今シーズンから加入した選手だったので、より大打撃だったような気がします。

 

ではなぜそうなってしまったのか、完全な主観で書いていこうかなと思います。

 

守備の悪さ

元LAL組のKCPとクズマは安定したディフェンスが売りで、他にも加入したディンウィディーやホリデーといったガード陣もディフェンスは悪くありません。
またアブディヤやガフォードという若手の成長もあったりして、開幕当初のDRtgは102.5とリーグでもトップクラスに良いディフェンスをしていました。


しかし、それは開幕後のチームケミストリーや戦術が浸透していない時期でのことで、WAS自体もチームによるディフェンス戦術というよりかは個人のディフェンス力に依存したもののように見えました。
それを証明するかのように、試合を経るにつれてディフェンスが崩壊してきてしまい、ついには現在DRtgが111.5とリーグで23位というディフェンスできないチームとなってしまいました。


月ごとのDRtgを見てみましょう。

 

10月:102.5
11月:108.4
12月:116.1
  1月:116.5


1月は1試合だけなので、これからどうなるかわからないですが、12月はもうひどいですね。
なんなら昨シーズンのスコブルWASのどの月よりもひどい結果となっています。
(スコブルWASで一番ひどかったのは2021年1月の115.9)

 

じゃあ誰がその原因を作っているんだ?という話なのですが、やはりここで出てくるのはベルタンスです。
ベルタンスのon/offでの相手のORngを見てみると、


on:117.7
off:110.1


とベルタンスが出ているだけで+7.6もの差があることがわかります。
個人でのディフェンスが改善されたかのように見えた今シーズンでしたが、それは幻だったようです。
よくアイソで狙われるシーンがあり、そこでは標準くらいの守り方はできていたように見えました。
ただリバウンドは取れないし、抜かれたときに簡単にファールするので、そういったことが影響しているのでしょう。

 

ここで調べていて意外だったのが、ベルタンスに次いで悪かったのがガフォードでした。
ガフォードのon/offでの相手のORngを見てみると、


on:115.5
off:109.1


とベルタンスほどではないですが、+6.4もの差がありました。
スターティングメンバーだからこその数字だと思いましたが、他はクズマ以外そこまで差がありません。
まぁ試合を観ているとブロックこそ派手ですが、簡単にファールドローされるし、P&Rでの守り方も雑だし、ディフェンスでの数字が悪いことはなんとなく予想はしていました。

 

この二人に共通するのがインサイドの2人だということです。
ベルタンスとガフォードは正ポジションの割にフィジカルが弱いので、ブルーワーカー的インサイドが相手だと手も足も出ません。
昨シーズンはレン、ロペスといったフィジカルに守れるインサイドがいたので、なんとかなっていた部分があります。


ただ今はクズマやハレルだと厳しい部分があるし、八村やトマブラもアンダーサイズなので、ここのポジションをどうにかしないとPOはだんだん厳しくなっていくでしょう。
この辺はTDLまでにシェパードになんとかしてほしいところです。

 

アウトサイドの不安定さ

次の原因だと思うのは、アウトサイドシュートが不安定なことです。
現在のWASは非常にアウトサイドの確率が悪い。
WASには3Pを1試合平均3本以上打つ選手が5人いて、リーグ平均の35%を超える選手はKCPただ1人です。


3P試投数トップ5
①クズマ…5.6本(32.6%)
②KCP…5.5本(38.3%)
③ビール…5.4本(28.0%)
④ディンウィディー…5.2本(33.3%)
⑤ベルタンス…4.6本(32.7%)

 

そしてチームとしては


3P試投数:30.9本(28位)
3P成功数:10.0本(30位)
3P成功率:32.4%(26位)


を記録しています。

 

逆にコーナー3Pはそこそこ打っていて、その確率もまぁまぁ悪くないほうです。


右コーナー3P:3.6本(40.6%)
左コーナー3P:4.7本(37.6%)


いや、本当にまぁまぁ悪くないだけで全然良くは無いんだけど。

 

今シーズンのWASは、そもそもチーム戦術的に3Pを狙うのではなく、キックアウトやハンドオフからのリムアタックをメインとし、特にミドルレンジでのシュートが多いです。


エースのビールがミドルレンジでのシュート成功率が約50%と高い数字を記録しており、そういったことから戦術として成り立っている部分もあると思います。
現にビールいないときの試合はチーム平均より多く3P打ってるしね。

 

ただエースがミドルレンジを主体にするなら、インサイドをストレッチできる選手にしてほしいです。
そうでないと、相手インサイドの選手が大きくヘルプポジションを取ることができてしまい、ペイントエリアが密集してしまうからです。


この辺はトマブラ復帰がカギとなりそうですが、ガフォードとハレルなんてアウトサイド皆無なんだから、それまではもっと3Pを狙うチーム作りでも良かったんじゃないかって思います。
特にKCPやクズマが3Pを打たないでドライブして実質TOVみたいなキックアウトするシーンなんて頻繁に見たし。

 

ただまぁそれを除いても3Pを3本以上打ってる選手たちの確率はもっと上がってくれないと困っちゃいますね。
特にベルタンスなんて3Pを取ったら何が残るんだレベルでサラリー高いんだから、せめて40%まで上げてくれ。
12月は3P%が41.0%らしいので、これからも維持してくれることを求む。
最近はキスパートの積極性がいいので、ベルタンスいらない説がまた浮上してきてしまいましたが…。

 

良かったこと

プロトコルで欠場者が相次いでいる最近のWASですが、直近のCHI戦ではPGビールが大活躍してくれました。
アシストがキャリアハイの17つを記録し、TOVも2つだけと効果的にゲームコントロールしていたことがわかります。
ハーデンのようなPGとはまた違いますが、スコアリングPGとしてのビールの新たな可能性を見たような気がします。

 

アシストの内訳としては


KCP:4
アブディヤ:4
キスパート:2
ギル:1
クズマ:3
ガフォード:3


でした。
注目したのは、キスパートとアブディヤのところです。


ビールがドライブなりポストアップしたところに、合わせでカッティングしてきてパスを受け、シュートを決めていました。
今まではビールのタフショットになっていたものが、周りが連動して動くことでイージーショットに繋がったことを考えると、これからもこうしたオフェンスをすることで効率も上がってくると思います。

 

どうしてもビールが攻めるときは、周りがボールウォッチャーとなっていることが多く、それがオフェンスの停滞感を生んでいた原因だったのですが、気の利くキスパートとアブディヤが解決法を出してくれました。
ただこれがディンウィディーやネトといったガード陣が復帰した時に同じ動きをしてくれるかというと、ちょっと不安なところがあります。

 

また、カッティングからのシュートは、相手に強力なリムプロテクターがいないときに発揮できるものなので、CHIにそういった選手がいなかったことも成功した要因の1つでした。
PHIやCLEといったチームには通用しないでしょうね…。

 

ここで重要なのが、ガフォードのいないスモールラインナップのときにより効果的だったので、PGビールをする際には、やはりインサイドはストレッチできる選手が必須だと思います。
トマブラ復帰を待ちましょう。

 

まとめ
以上が2021年+1試合のまとめでした。
これから着々とプロトコル組や離脱組が戻ってくるでしょうし、それからまた良い化学反応が起きるかもしれません。
ただ、PGビールの可能性や、インサイドの整理なんかを含めて、色々とロスターの編成が変わっていくでしょう。
これからどうなっていくのか楽しみ半分、不安半分です。

 

2022年はちゃんと試合ログ書けるようにしたいなぁ…。