ウィザーズのお話

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主にワシントンウィザーズについて話すブログ

なぜ八村のプレータイムが伸びないのか?

今シーズン復帰後、昨シーズンまでと比べて3P%を飛躍的に向上させた八村は、試投数が少ないものの50%を上回っています。
課題であったところを克服し、アウトサイドが警戒されるようになってからミドルジャンパーが今までより活きるようになったことで、どこからでも点が取れるポテンシャルを強く感じさせました。
現時点でのスタッツを見てみましょう。

 

27試合出場(今日のDEN戦を除く)
19.4分 FG%:49.5(3.7/7.6) 3P%:52.2(1.3/2.5) FT%:77.5(1.1/1.5)
9.9点 3.1リバウンド 0.9アシスト 0.6スティール 0.2ブロック 0.8TOV 1.2PF

 

FG%より3P%のほうが高いという稀有なスタッツになっていますが、逆にFG%は5割超えてほしいと思ってしまいます。
今でこそイシュのおかげでトランジションから得点できてきましたが、TDL前はハーフコートバスケでのシュートが大半で調子が出なかったのか、ミドルジャンパーの精度が今一つでしたね。
これからは本来のプレースタイルに戻りつつあるので、FG%に関しては時間が解決してくれるでしょうか?

 

プレータイムが約20分と、なかなか伸びないことでアンセルドがファンから文句を言われているのをSNSでよく目にします。
確かに普通ここまで活躍している選手を起用しないのはおかしいと思います。
自分でも「八村以外」の選手がここまで活躍しているのにプレータイムが伸びなかったら文句を言っていると思いますが(ギルパパとか)、八村に関しては特殊な事情があるので致し方ないのでは?と思ってしまいます。

 

ここまでの八村を少し振り返ってみましょう。

 

復帰までの道のり
今シーズンに大型トレードがあり、新メンバーとともに八村がどう成長を遂げるか、WASがどれだけポテンシャルのあるチームになったのか楽しみにしていたファンは多かったでしょう。
クズマと八村どっちをスタメンにするのか、はたまた同時起用で相乗効果を図るかなど、様々な議論が開幕前に行われていました。


しかし、トレーニングキャンプが始まっても八村が合流している様子もなければ、SNSでも情報がなく、いよいよ不安に思っていた矢先、八村が「個人的な理由」によって、チームからしばらく離脱するという情報が流れました。

 

その後、シーズンが開幕して、開幕10-3ダッシュの快進撃→停滞→チーム崩壊というジェットコースターのようなシーズンを送り、八村早く帰ってきてくれー!状態になったことは記憶に新しいです。


八村は段階を踏んで復帰までの準備をチームにしてもらいました。
チーム練習に少しずつ参加し、遠征への帯同と、少しずつチームに馴染んでいけるよう手厚い対応をしてもらい、チームメイトもそれを理解して、八村の復帰を待っていることを会見で言ってくれました。これはうれしかったですね。


そして待ちに待った復帰戦は、まだコンディションが完全には戻っていなさそうだった感じで14分の出場に止まり、その後も20分以下のプレータイムが続いて、昨シーズンのような30分越えの試合は現在まで一度もありませんでした。

 

復帰直後は長い時間での起用がなかったことに対してファンはあまり気にならなかったでしょうが、徐々に八村のコンディションが戻っていくにつれ、復帰直後と変わらないプレータイムにヤキモキする感じの反応がSNSで増えてきたように感じます。
特にアンセルドが試合で結果を残せないのにも関わらず、スターティングメンバーの固定などラインナップに対して柔軟性が感じられない采配をしていたことで、その反応がより大きくなったように思います。

 

その辺を踏まえて、個人的な考えではありますが、なぜ八村のプレータイムが伸びないのか書いていきます。

 

メンタル面への影響
そもそも八村の個人的な理由に関しての詳細は明言はされていませんが、バスケから離れる時間が必要だったと本人が語っています。
それはどういった意味なのかはわかりませんが、それほどまでにメンタル面で影響があったということでしょう。


単なる一般人の自分と、日本を代表して世界で活躍するアスリートではレベルがかなり異なるので、「そんな低次元の話じゃねえんだよ」と思う人もいるかと思いますが、ちょっとだけ。

自分が所属している会社では休職者がまぁまぁいたりします。
主にメンタル面でのことで休職している人が多く、復帰したとしても時短勤務から始まったり、リモートワークで徐々に本来の仕事に慣れていくというプロセスがあります。
一般人の世界でのことなのに、メンタル面で影響があると仕事ができるようになるまで多くの時間を要します。

 

では常に高いパフォーマンスを求められ、多くのスポンサーから見られ、世界のトップの人たちと競争していかなければならない世界にいるアスリートはどうなのでしょうか?
常に誰かに見られているという意識は、他のだいたいのNBA選手より八村は比較的大きいのだと思われます。

 

そんな八村が、復帰してまだ2ヶ月程度しか経っていないのにも関わらず、プレータイムを30分以上与えてしまうと、メンタル面に少なからずの影響が出てしまうのではないでしょうか?
「いや、20分と30分じゃそんな変わらないでしょ笑」的な意見もあるかと思いますが、NBAのシーズンは非常に過酷です。
広大なアメリカを飛行機で移動し、落ち着いて自宅に戻れる日なんか早々にない日々を送りながら戦っていかなければいけません。


それに加え、地域による気温や湿度といった環境の変化など、同じ環境下で試合ができることなど無く、八村はそんな状況に適応しながら自身のメンタルを正常に安定させなければならないことを考えると、試合でのプレータイムは少ないに越したことは無いのではないでしょうか?

 

また、復帰戦後のインタビューで「バスケが楽しいと再認識した」という言葉があるように、20分程度のプレータイムで「もうちょっとやりたかったな」くらいの気持ちでいたほうが、バスケへのモチベーション維持に繋がります。
30分のプレータイムを与えられて頑張るという受動的な意識から、もう少し出たいなという能動的な意識になることでメンタルへの良い影響があるのかもしれません。
まぁこの辺は自分で勝手に思っている考えなので違うかもしれませんが…。

 

というメンタル面での考えを書いてみました。
次はチーム状況的な話です。

 

ある程度コンディションも戻ったし、他の選手育てよっか
シェパード政権になるまでは、油水のように1巡目指名権をトレードで使ってきました。
しかしシェパードになってからここ3年は八村・アブディヤ・キスパートと連続して1巡目で若手を指名しています。

 

そして今シーズンのTDLではサボニスを獲得するために、若手をアセットに加えたトレード案をINDに提出しましたが、SACのほうが魅力的なトレード案だったらしく断られてしまいました。
そのアセットがどんな内容だったのかはわかりませんが、シェパードは大物を獲得する際には若手をアセットに加えることに抵抗はないことがわかりましたね。

 

そんなTDLが過ぎた今、八村はある程度2ndユニットから簡単にスコアリングできることを証明し、自身の立ち位置を確立しましたが、アブディヤとキスパートはどうなのでしょうか?
まだまだ試合経験の浅いアブディヤとキスパートの2人ですが、ビールがMAX契約を結ぶとなると、若手を育てるだなんて悠長なことを言っている余裕はありません。
そのため、2人を育成しつつ、トレードアセットとして放出するorチームのコアとして残すという見極めをするべく、八村よりもプレータイムを与えているのではと思います。(アブディヤはそこまで多くもないけど)

 

キスパートはスタート起用でシャープシューターとしての役割をまっとうしていますが、アブディヤはハレルという存在がいなくなってから少し停滞気味になっています。
それまでは良い働きをしていたアブディヤだったので、おそらくサボニス獲得でのトレード案に組み込まれていたのはアブディヤだったんじゃ?と思うし、このままだと今季オフでもその可能性があるのはアブディヤなんじゃって思っています。(吐血)

 

ということで八村のプレータイムが減ったというより、2人の若手のプレータイムを確保したのでは説でした。
あともう一つの説はこちらです。

 

再契約するために他チームに見せないよ!
八村は2021年の10月にチームオプションが行使されたため、来シーズンが契約最終年となります。
ただ、契約延長を今季オフに結ぶこともできる?ため、それがどうなるのかって問題もあります。

 

シーズンの前半を欠場し、しかもそれがメンタル面であったことがネックとなってはいるものの、復帰してからのプレーは控え出場者の中ではトップクラスに良いことで、他チームのスカウトの目には必ず留まっている存在だと思います。
しかも契約最終年が6.2milという安価なので、非常に手を出しやすくもあります。
そうなると、今季オフにトレード交渉を持ち込んでくるチームはいるでしょうし、すでに狙いをつけているチームもいるのかもしれません。

 

現時点では控え出場で9.9得点と普通に見れば「ほーん」って感じのスタッツではありますが、自身の課題と向き合って堅実に成長を続けてきたことは、これからも少しずつ課題に向き合ってくれる勤勉な姿勢というものが評価されるのではないでしょうか?

またその姿をWASで見ている人にとっては、なかなか欠かせない選手の1人です。


そんな八村を勝つために長時間出してしまうと、

GM「あの選手欲しい!」

とか言い出す人が多く出てきてしまいます。
プレータイムを少なくしているのはそれを防ぐためかもしれませんね。

 

個人的な予想では、今の八村と他チームがFAで契約するんだったら8~10milくらいじゃないでしょうか?
ぶっちゃけガフォードの2年後が12milと高いので、八村がWASと契約延長する際はそれよりかは実際高くなってしまいそうな気がしてしょうがないのですが、他チームはそんな高いサラリーは提示してこないでしょう。

 

まぁ八村の価値が一番高い&サラリーが安いこともあって、今季オフに1番動かしやすい選手の1人ではあるので、もしかしたらタンクチームのエース級とのトレードで放出される可能性は無きにしも非ずって感じでしょう。
その場合WAS日本語チームの行く末がどうなるのか気になりますが…。


ここはもうシェパード次第なので、安く契約延長できたら御の字、無理そうならプレータイム伸ばしてトレード放出!ってなりそうな気がします。

 

まとめ
とまぁつらつらと書いてきましたが、本当はなんなのか?
という答えはアンセルドとシェパードくらいしかわかりません。
案外八村がアンセルドにちょっかいかけ過ぎて嫌われたとかそんな感じだったら面白いな。

 

今でもアンセルドのスターティングメンバーの起用は意味わかんないし、勝ちたいのか負けたいのかよくわかんないスタンスだし、チグハグなことは否定しません。
ただ、八村に関しての起用はちょっとは同情できる部分を絞り切った雑巾から水気をなくすレベルに絞って出してみました。
もうからっからです。

 

あと14試合ともう少しでWASのシーズンが終わってしまいます。
何かしら来季に繋がる試合が観たいですね。