ウィザーズのお話

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主にワシントンウィザーズについて話すブログ

WAS通信簿 シーズン後半:ガード編

POに行けなくなってしまった今シーズンは、昨シーズンに劣らないくらい激動のシーズンでした。もはや激動じゃないシーズンなんてここ数年ないんじゃないかというレベル。

 

ロスターが大きく動き、TDLでもなかなかに大きな動きをしたWASなので、なかなか一貫したチーム作りというのはかなり難しかったようで、てんでバラバラな感じが否めませんでしたね。
今シーズンが終わったので、各選手への感想を書いていきます。

 

【ガード陣】
ハウル・ネト
イシュ・スミス
トーマス・サトランスキー
カシウス・ウィンストン

 

ハウル・ネト:C

TDL後に評価を一気に落としてしまいました。
というのも大部分はアンセルドのせいです。

 

ハレルがいたころは、控えからアブディヤとともに3人で出場し、なかなか強力なベンチメンバーとして猛威を振るっていました。
100ポゼッション換算で、3人が出ているときの得点-相手の得点は、+12.7と数字でも良いトリオだったことがわかります。
ハレルがハイポストでキープし、アブディヤがカッティングを駆使してコートを走ることで、ネトが特にゲームメイクすることなく自身の強みであるカウンタードライブでスコアリングしていたのは遥か遠い昔のように感じます。

 

そんな強力トリオの1人だったハレルがTDLで放出されてしまいました。
あれだけ試合に貢献していたハレルが結局どんな理由で放出されたのかの真意はわかりませんが、まぁ何となくの理由は察しますよね。
そして相棒を失ったネトは、TDL以降からなぜかスタートPGとして起用され、慣れないゲームメイクをアンセルドから課されます。


ダンシングするKCPや、ハイポストでボールキープしか選択肢のないインサイド陣(ポルジンギス出場前まで)が一緒なのに、ヨキッチオフェンスにこだわったアンセルドに巻き込まれたようなネトは可哀そうでしたね。

 

バイアウトされたサトランスキーを獲得してから、ネトは3試合は完全に出番がなく、平均20分以上あったプレータイムは10分以下になって途端に出番を失ってしまいました。
なぜか最後2試合のNYK戦とCHA戦は20分以上もプレータイムがあったのは何故なんでしょうね(サッと目を逸らしながら)
イシュ神と一緒にコンボガードとして出たときはすごい良かったんですけどね。

なぜかあんまり起用されなかったし。

 

そんな干されたネトにも色々思うことはあります。
・ドライブでペイントエリアに行ってから止まってパス先を探し出すorタフショット
・ディフェンスでのスクリーンをかわすのが下手、またはすぐフロッピングする

PGなのにドライブでパスの選択肢が無いまま突っ込んで止まるのなんて高校バスケなら顧問にド突かれて交代させられます。
タフショットもまぁまぁ成功率があるだけに、「おま!まぁ決めりゃいいんだけど次はやめろよ!」って感じでたちが悪いです。

 

ネトは185cmとアンダーサイズなくせに、スクリーンをかわすのが下手で、しょっちゅうスクリーナーに当たってはフロッピングをしてハンドラーとスクリーナー両方をフリーにさせることがあります。
さすがサッカー大国のブラジル出身なだけあってシミュレーションが体に染み込んでいるらしいのですが、常時そんな感じなので止めてほしいですね。

 

そういった個人の問題がネト自身にもあるのは確かです。
ただ、本来はビールやイシュのようなハンドラーと一緒に組ませるコンボガードとしてなら真価を発揮できる選手なので勿体なかったですね。

 

今シーズンオフにFAとなるネトは果たして再契約するのでしょうか…?
昨シーズンにFAとして約2milというかなり安価な契約でWASに加入し、今シーズンもWASと再契約してくれた稀有な人です。
ただ、イシュ神が帰ってきて、現在サトランスキーがスタートで上手くいっている感じのWASではもう居場所がほぼ無いに等しい感じなので、残念ですが優先順位は低くなっちゃうのかなと思います。

 

TDL後のWAS(スタート起用時の19試合)では
8.1点 2.1リバウンド 4.6アシスト
FG%:51.8% 3P%:45.0% FT%:73.8%
と決して悪くはない数字ではあります。

ただ年齢が年齢だし、アンダーサイズなことや今シーズン全体のスタッツ(特に3P%)を見ると来シーズンの契約を勝ち取るのはなかなか厳しいかもしれません。

 

イシュ・スミス:A

TDLにハレルとのトレードでCHAから帰還したWAS3大神(ネト、アブディヤ、イシュ)のうちの1人です。
今シーズンはFAで地元に少しの間戻っていましたが、シェパードによって引き戻され、またしてもWASという監獄に収監されてしまいました。かわいそうに。

 

ただCHAではWASほど出番がありませんでした。
CHAでのイシュのスタッツは以下です。

 

37試合出場
13.8分 4.5点 1.5リバウンド 2.6アシスト 0.5スティー
FG%:39.5%(2.0/5.0) 3P%:40.0%(0.3/0.7) FT%:63.2%(0.3/0.5)

 

普通の控え選手って感じのスタッツで、WASにいたころと比べたら見劣りしています。
年齢のことなど色々な要素があって、昨シーズンほどのインパクトは残せなかったのか?と少し不安に思っていました。

 

しかし、そんな不安を吹き飛ばすくらい、トレードで来てから早々にWASに足りなかったものをすべて与えてくれました。
トランジションでのアタックor前線へのパス供給や、P&Rでのアリウープパスなど、八村やガフォードが再び活き活きするような動きをイシュ神が手助けしてくれたおかげで、昨シーズンのようなトランジションバスケを仕掛けることができるようになりました。

 

しかも今年で33歳になったとは思えないくらいエネルギッシュなプレーをしてくれるし、若手とのコミュニケーションも抜群です。
WAS公式が出していた八村と再会したときの動画を見ても、若手から信頼を得ているのがわかりましたね。
今シーズン開幕前に懸念されていたベテラン不在による影響をもろに受けたことで、チーム内での不和がありましたが、現在はイシュ神がいるおかげでキスパートやアブディヤといった若手が躍動することができ、KCPなど中堅とのバランスも随分と良くなったと思います。

 

ちなみにWASでのスタッツは以下となっています。


28試合出場
22.0分 8.6点 3.0リバウンド 5.2アシスト 1.0スティー
FG%:45.7%(4.0/8.8) 3P%:35.7%(0.5/1.5) FT%:60.0%(0.1/0.2)

 

アシスト数は倍になり、スティール数も伸びています。
アンダーサイズながらも体を張ったディフェンスから手を伸ばしてスティールするシーンは何度かありましたね。
砲丸投げみたいなフォームから放たれる3Pもそこまで確率は悪くなかったようです。
あんなん真似したらどっか飛んでいきそう。

 

イシュは来シーズンまで契約が残っているので、またイシュ神にお世話になりますが、その勢いでロペスも呼び戻したいですね。
ロペスもORLでプレータイムなかなか無いみたいだし…。

 

トーマス・サトランスキー:B

2018-19シーズンから2シーズン振りにWASへと帰還しました。
ちょうど八村のドラフトとすれ違いでCHIへとトレードされたので、八村加入からWASを観るようになった人はほとんどサトランスキーを知らなかったでしょうね。
チェコ代表としても日本とオリンピックで試合をしましたが、CHIでは控えPGだったのでそこまで注目されていなかったかもしれません。

 

ただウォール不在時にチームを牽引してくれたクラシック型PGで、ビールとの相性はかなり良かったと思います。そのビールがいませんでしたが。
ユーロ系PGなのでフィジカルコンタクトを厭わず、しかも201cmという大型ガードなため、アンセルドお得意の3ガード()も十分に対応できる貴重な存在です。

 

WAS加入から控えでの出場のときは、イシュ神との2ガードで出場していたため、そこまでのインパクトはありませんでしたが、オフェンスでの流動性を生んでくれました。
当初は八村にパスをなかなか出さないからやんややんや言われて評価が高くはなかったサトランスキーでしたが、スタートで起用されてからは頭角を現してきました。

 

スタート起用時(10試合)
23.1分 5.3点 3.5リバウンド 7.9アシスト
FG%:46.6%(2.1/4.5) 3P%:20.0%(0.2/1.0) FT%:75.0%(0.9/1.2)

 

得点力などのシュート面は足りないと感じる要素があるものの、アシストで良いスタッツを残しています。
オフボールで動きまくるキスパートとの相性が良く、イージーショットを生み出すこともありました。
案外ウォールいたときのビールみたいな感じでやりやすさがあるのかもしれません。

 

リバウンドなどのハードワークもしてくれるし、ぜひ来シーズンもいて欲しいですね。
ただサラリーがどうなるかが全く読めないのが怖いところです。

 

カシウス・ウィンストン:??

ビールのメンターである2wayプレイヤーです。
昨シーズンからWASとGリーグのキャピタルゴーゴーとかいうふざけた名前のWAS傘下チームと行ったり来たりと忙しそうな日々を送っていました。

 

そんなウィンストンはおそらくWASクラで「もっと試合出してあげてよ!」ランキング不動の1位だと思うのですが、今シーズンもWASではほとんど出番が無く、なかなか厳しいシーズンでした。


TDL直後のBKN戦では約10分ほどのプレータイムを得て、トマブラとのP&Rなどネトには無いガードらしい動きを見せてくれたので、そこからもブレイクの機会を得るのでは!?と期待しましたが、アンセルドには響かなかったようです。

 

ちなみにGリーグでの主なスタッツは以下となっています。

 

26試合出場
17.7分 12.7点 2.6リバウンド 4.6アシスト
FG%:47.8%(4.2/8.8) 3P%:39.5%(1.3/3.3) FT%:90.6%(2.2/2.5)

 

Gリーグでは得点力こそ物足りないものの、高いシュート率を記録しています。
NBAではよっぽどのエースプレイヤーでない限り、得点力よりもいかにロールプレイヤーとして徹することができるかが問われるので、ウィンストンのような高いシュート力とまずまずのアシストはWASでも活きると思うんですけどね…。

 

ガベージタイムでの起用では、周りが上手くない選手で固められてしまうので目立ちませんでした。
ウィンストンは恐らく周りが上手ければ上手いほど輝くタイプで、一回でもいいからビールやポルジンギスと出ているシーンを見たかったです。
来年のサマーリーグではWASで参加するのかな?

 

ウィンストンはすでに24歳と若手の中ではまぁまぁいい年齢だし、2way契約では同じチームに最大3年までしかいられないので、来シーズンがWASで2wayとして居られる最終年となります。
おそらく来シーズンもWASで2way契約を結ぶのかなと思いますが、なんとか良いきっかけを与えてあげたいですね。